アルテ便り

2003年7月3日

03_071s「本日は楽しみにして参りました」
というお言葉に始まり、「本当に良いものを創られましたね。これからもずっと、この場所を守ってくださいね。」というお言葉を残して1時 間余りをアルテピアッツァで過ごされた両陛下のお姿に、何か言葉では言い尽くせない感動を覚えた貴重な時間でした。

 普段は交通量の少ない沿道にも大勢の市民が詰め掛けて、日の丸の小旗を手に「その時」を待っていました。アルテピ アッツァではおよそ300人が奉送迎の列を成し、いよいよ緊張が高まるなか、栄幼稚園のこどもたちだけはいつもと変わらない様子で、先生から教えてもらった「日本のおとうさんと、おかあさん」の到着を待っています。

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写真提供:北海道新聞社

 両陛下がお着きになった途端、緊張と高揚が入り混じった不思議な空気が波のように押し寄せて300人の心を呑みこみ、お二人のにこやかな表情、やさしく掛けてくださるお言葉にその場に居合わせた人々が釘付けになり、隣に立つ人の鼓動までが聞こえてきそうな、どこかそわそわした静けさに包まれました。
 栄小学校の歴史はそのまま美唄盛衰の歴史でもあります。
 彫刻についてだけではなく、炭鉱が栄えていた当時の賑やかだった街の様子にも熱心に耳を傾けてくださり、ここを訪れるみなさんがそうするように白く丸い彫刻をやさしく慈しむように撫で、池と流路で水しぶきをあげて遊ぶ園児に、時には膝を折ってお言葉をかけていらっしゃるお姿が印象的でした。
 初夏の陽射しに照らされた彫刻と緑。風のささやき、キラキラと輝く水しぶき、こどもたちの歓声。山の向こうから遠く聞こえてくる蝉の声。鳥のさえずり。その風景の中に溶け込み、もっとも輝いていた両陛下の微笑み。そのどれもがどこか夢の中での出来事のようでもあり、けれど今日という歴史的瞬間に立ち会った人々の心に深く、美しく刻まれたに違いありません。

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