アルテ便り

2003年1月10日

 午後3時半。窓の向こうから射す光の気配に視線を上げると、さっきまでひたすらに降っていた雪がやみ、やわらかな光が雪原を照らしています。
冬の陽射しはどこか優しい印象を与え、裸木に積もった雪や葉を落とした木そのものの姿を包みこむようにしながら影を落とします。
 4時。白く輝いていた太陽が傾きオレンジ色の塊となって空を染め、裏山を染め、雪原の起伏を露わにするように雪の大地を染めています。
白と黒・・・墨絵のようだった風景が一変し、どこか暖かみが感じられる風景。
けれどわずか10分後には夕陽は西の彼方に姿を隠し、一瞬にして色を失います。
 4時半。「蒼い時間」です。
夕闇が迫る冬のこのひとときを、そう呼んでいます。
雪の白さがあってこその透明感がある「あお」。時間の経過とともにその蒼さは深く濃くなり、闇に包まれます。
ライトアップされた彫刻たちが、音もない闇の中に幻想的に浮かび上がり、静かに佇んでいます。
 5時。すっかり暮れて気温も下がり、きりっと冷たくしまった空気が一面にたれ込め、見上げた空には星が瞬きます。

今日のこの美しい光景は今日だけのもので、昨日のそれとは違っています。さまざまな瞬間に立ちあえることの喜びを改めてかみしめつつ、2003年の幕開けです。

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